2012年9月17日月曜日

9/17 板の会出張 キングダムビルダー、ファウナ、キングオブトーキョー @ゲームスペース柏木 

3連休の末日に急に予定をぶち込んでボドゲをやろうとAZ・ぴーやまを召喚。

元はロール&ロールに行こうとしていたもののwebで卓状況を確認すると埋まっていた。
なんとなく「どこかへ行ってボドゲ」のイメージだったので、色々検討。
結果、初めてゲームスペース柏木さんへ出向くことになった。



さて、関東のボドゲ好きにとっては有名なゲームスペース柏木。
TGIWさんでの紹介を引用させていただくと

ゲームスペース柏木は2003年5月にオープンしたプレイスペース。1000円の席料で店内のゲームを遊ぶことができる。ドミニオン木曜会や伝統ゲームの例会が定期的に行われており、愛好者たちの集いの場となっている。ドミニオン日本選手権ではドミニオン木曜会のメンバーが上位を独占し、世界チャンピオンのルネ氏を輩出している。

ということでなんていうか有名で優良なゲームスペースなのだ。
自分も名前こそ知っていたのだが行ったことは無かったので今回初上陸。

新宿周辺でラーメンを食べてから徒歩で大久保方面へ北上。迷うことなく13時には到着。
お客さんも多くにぎわってる中、宅へ案内されレッツスタートである。


キングダムビルダー



中に入ると部屋を囲う数々のボドゲ。正直どれも「やってみたいなあ」と思っていたものばかりで混乱する。18時くらいに帰ることを考えていたのでせいぜいインスト込みでできて中量級が3つくらいかなと想定。

そんなこんなでまずは「最近急にやってみたい作品1位」のキングダムビルダーをチョイス。


デザイナーは泣く子も黙るドナルド・ヴァッカリーノ。
ドミニオンでドイツゲーム大賞をとった後に今年も2回目の受賞を本作で成し遂げたノリにノってる人である。
個人的には「キングダムビルダーが受賞、へー、ほー、ふーん」とやや懐疑的に見ていたのだがやりもしないで懐疑的になるのは良くないよねと最近思っていたところでプレイのチャンスがやってきたのである。


六角形のマスで構成されたボード上に自分のコマを置いていく陣取りゲーム。
コマを置く縛りは非常にシンプルで、

・引いたカードに対応する地形(確か5種)にしかおけない。
・3つ連続してコマを置く
・置くときは、既に置いている自分のコマに隣接しておく

だいたいこれで全て。

カード引く→自分の番来る→コマ3つ置く→カード引く...
こんな感じ。

「それの何が面白いんだおい」
って話ですがいくつかそのルールを面白くするポイントがあって、
 
(1)特殊タイル
ボード上には特殊タイルが置いてあってこれに隣接したマスにコマを置くとそのタイルを取得し、基本永続的にそのコマの効果が使える。
例えば「追加で草原マスに1個設置」「1直線に置いているコマの先にもう1個追加で設置」などどれも手番での追加効果を発揮するものになっている。
これが非常に効いていてこのタイルを目指すことが楽しくも悩ましい感じになっている。

(2)ボードが毎回変わる

さっきの上に貼った写真と比べるとわかるが毎回ボードが変わる。
8枚ある基本ボードから4枚を組み合わせて使う仕様なので毎回地形が変わる。
地形が変わるのと併せて上記(1)の特殊タイルの内容も一新されるので毎回違った感覚で遊べる。

(3)勝利点の獲得方法が毎回違う
これは画期的だと思う。
このゲーム上記の通り
カード引く→自分の番来る→コマ3つ置く→カード引く...を繰り返してひたすら陣取りしていくのだが毎回陣取りの意味が違うのだ。
ゲームの最初に10種ほどある勝ち点条件から3枚をランダムで引いて勝ち点の取得方法が選ばれる。
その内容は
・水平に多くコマを置くと勝点
・川に隣接しているごとに1点
・区域(4つのボードを1区域と考えて)内に多くのコマを置いてる人に12点
・城と城をつなぐと勝点
など多彩だ。

このシステムによって「基本ルール」と「勝ち方」がミックスされて「やることは同じなのにやってる感覚が変わってくる」という新感覚が味わえる。本当にこれは画期的。


さっそくやってみた。1回目、

勝点条件は
A)城や特殊タイル獲得地どうしを繋ぐと勝点
B)水平列に1個コマがあるごとに勝点(垂直においていくと得)
C)城や特殊タイル獲得地に隣接してコマを置くと勝点

上記のルールで点を稼ぐため
黒の私は南北にコマを設置していることがわかる。
一方、白のぴーやまは手前に見えるように特殊タイルを丸く囲んでいる。

結果、

接戦の後、ぴーやまが勝利。赤のAZさんはちょっと出遅れた。

2回目、

勝点条件は
A)川沿いに置くと勝点
B)山沿いに置くと勝点
C)区域(4つのボードを1区域と考えて)内に多くのコマを置いてる人に12点、2位に6点

見事にみんなが川と山を攻めている。手前の川沿いをこれでもかと攻めている赤のAZさんの執念を感じる。

しかし結果は私が勝利。Cルールをうまく使えなかったことが今回のAZさんの敗因ぽい。


このように2回やっただけで全く違う勝利条件で同じルールを遂行する楽しさにどっぷりハマった。
そもそもルール読んでる時点で面白いことが伝わってきたし、1回目の途中で2回目をやろうと声があがったのはパンデミック以来な気がする。

正直、地味そうで「へえ大賞ねえ」と思っていたがこれは素晴らしい。
1回が30-45分程度で終わるし何しろルールが簡単だ。
こんなにシンプルで面白いのはすごい。大賞納得。



ファウナ



キングダムビルダーの面白さに「いやあすごいねこれ」と余韻に浸っていたが、一転して次に選んだのはバカゲー界のインテリ派ことファウナである。



まずこんな感じで特定の動物の見た目とよくわからん外国語での名前(対訳表あり)などだけが表示されているカードがケースに収められてある。下半分は隠されていて、要するにそこに答えがのっているのだ。

その限られた情報を眺めながら上記の世界地図に対し
・ここに生息していそうだ!というエリア
・このくらい重いだろ!という重量
・こんくらいのでかさだろ!という体長
・こんくらいのしっぽだろ!というしっぽの長さ
を勝手に想像して予想してコマを置いて答え合わせをするゲーム。

ここまでですでに上質なバカっぽさを感じることができる。

一応ゲーム性としてはコマを置く(コインを賭けるイメージだろうか)ことは最大6箇所に対して可能。
例えば地図エリアに3つほど置いて重量に1つ置くなど分散して勝点を狙いに行く事が可能。
しかし間違ってるとコマが没収されるのであまりやみくもにコマを賭けると次の問題での検討先が少なくなってしまう仕掛けだ。

動物カードには生息エリアの数の情報は明示されるのでなんとなく置きどころは絞られる。

「これは実にアレだね」と全員がこのゲームの持つバカ性を認識してゲームスタート。


第1問はピューマ。

「おい、ピューマ=プーマといえばサッカー、カメルーン代表だろ。アフリカはほぼ確定だろ」というデマでもないけど信ぴょう性も一切無いコメントに全員が乗っかりアフリカにコマが複数乗る。
大きさも適当に置かれて答え合わせ。カードの下半分を見て戦慄する。
わかりやすくウィキペディアを引用すると

ピューマ(学名:Puma concolor、英語名:Cougar)は、南アメリカ大陸のほぼ全域と北アメリカ大陸の広域に生息する、ネコ目(食肉目)- ネコ科の大型肉食性哺乳類の一種(1種)。ネコ亜科- ピューマ属2種中の1種。

そう、アフリカにピューマはいない。

その後も我々の珍プレーは止まらない。

シマリスの際
ぴーやま「シマリスって言うくらいだから島だろ島」
その他ちげーよ、シマシマのシマだよ。

シロナガスクジラの際
ぴーやま「10以上の生息地って書いてあるけどこれもうほとんど世界中の海にいるよね、余裕かも」
AZ「そうだね。(北極海に置く)」
ぴーやま「なんていうかそこだけにはいない気がする」
結果北極海にだけいない。

ガラガラヘビの際
全員「ほぼ間違いなくインド、百歩譲ってインドネシア」
→結果、メキシコ

等、「動物の生態を図鑑風の情報を元に考えているはずなのにバカだらけ」という想定どおりの面白さ。

結果、このテのゲームに異様に強いAZさんがぶっちぎり勝利。

ちなみに下半分はこんな感じ。
シマリス、ナマケグマ、名前忘れたけどイグアナかトカゲ。



キングオブトーキョー


日も暮れてきて「じゃあラストにサクっとなんかやろう」ということになり、ぴーやまがやりたがったキングオブトーキョーをチョイス。

ルールは激しくシンプル。
それぞれがモンスターを選び体力10からスタート。

1.2.3.イナズママーク、ハートマーク、攻撃マークの描かれた6面サイコロを6個振る。
任意のサイコロ群を2回振りなおせる。
・1-3は3個そろったら勝ち点。「1」が3個で勝ち点1、「2」が3個で勝ち点2、「3」が3個で勝ち点3
・ハートマーク1個につき体力1回復
・イナズママーク1個につき1キューブもらえる。キューブはカードを買う時の対価。
・1攻撃マークにつき1回攻撃。

プレイヤーはトーキョーとそれ以外の2種のエリアにいることになっている。
トーキョーには1人しか居れないがトーキョーに居座り1順すると勝ち点が2入る。
攻撃の際、
・トーキョーにいるプレイヤーはそれ以外のプレイヤーに向けて全方位攻撃
・それ以外のプレイヤーはトーキョーにいるプレイヤーを個別攻撃
となる。
トーキョーが色々有利そうだがトーキョーにいると回復ができなかったりするのでリスクもある。
ちなみにトーキョーで攻撃を食らった場合は攻撃主にトーキョーをあけ渡すことが可能。

体力が0になったら当然離脱。
勝ち点20を溜めるか自分以外が離脱したら勝利!


ゲームの最初に自分の使うモンスターを選ぶのだがこれが意味なく盛り上がる。別に絵が違うだけで能力に差は無いのに盛り上がる。私は初回「タコ怪人」を選んだ。正式にはクラーケンらしい

このゲーム要するにサイコロ振って攻撃してトーキョー占拠したり譲ったりしながらわいわいやるだけのゲームだ。
イナズママークでカードを買って特殊効果を使ったりするがそこまでカードを買い集める時間も余裕も無いのでこれも雰囲気を盛り上げる装置くらいに思ってたほうがいい。

とにかくモンスターをトーキョーに送り込みながらサイコロ投げてげらげら笑うのがこのゲームの醍醐味に違いない。

初回、トーキョーに居座り暴挙を繰り返したが集中砲火に会い即死亡。タコ怪人無念である。

この回は「メカドラゴン」を率いたAZさんが勝利。
「そのドラゴンはずるい。なんか強そうだし卑怯だ」といちゃもんをつけられ2回目へ。
2回目やってる時点でかなり楽しんでいる。

さあ2回目は「三つ目宇宙人」でリベンジである。正式名称は知らない。
少しゲーム戦略も考えながら皆慎重に攻め始めるが「結果大雑把な殴り合い」に突入する。

つまるところこのゲーム「緻密にカードの取捨を考えたりトーキョーにいて勝ち点を稼ぐか考えたりする」という本来ボドゲで重要そうなことを考えるより、「わけわからん化物で遊ぶ」事が楽しくなってくるのだ。
逆にそこを楽しませるだけの最低限のゲームメカニクスが実は繊細に組まれているので猛烈に楽しいんではないかと勝手に推測。

2回目はサイコロの神様が微笑んだ三つ目宇宙人率いる私が勝利。最強を誇ったメカドラゴンを駆逐した。






ゲームスペース柏木に初めて行ったがとても楽しめた。
この日は非常に混んでいたようで初めて訪れた方も私等も含めて多かったらしい。
今後も是非お邪魔したいと思った。


今回の発見は圧倒的にキングダムビルダー
他2作も面白かったが抜けていた。これはなんとか所有したい。
本当に面白かったしいわゆる初心者も楽しめる傑作だと思う。
後でいろんな方のレビューを確認してみよう。







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